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相澤政宏さんに聞く
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大村友樹さんの第一回シリーズ、好評のうちにひとまず終了させて頂きました。 今回はザ・フルートカルテットでも共演されている相澤政宏さんのシリーズです。

相澤政宏さんのプロフィールは、こちら


2006年09月29日 曲中の待ち時間について
2006年09月08日 指揮と演奏者の関係
2006年09月08日 会場でのコンディション作り
2006年08月21日 ソロ演奏について
2006年08月04日 演奏とホールのイメージ
【注意】スタッフが提示した「テーマ」に対してあくまで「個人の感覚」を自由に語っていただいたもので、「他人へのアドバイス」や「お勧め」では一切ありません。感覚の話なので抽象的な表現もありますが、余分な解釈を加えず出来るだけご本人の表現そのままを引用しています。

曲中の待ち時間について

他の演奏家が吹いている間もその音楽の中に身を置いていないと悔いが残るというか、作曲者を冒涜しているというか、そんな感じは持っています。吹いている時は仕事、吹いていない時は仕事ではないみたいな割りきった感覚ではいけないと思うけれど。それに関連する事かもしれませんがオーケストラの演奏が終わったときの演奏家たちの表情が無表情に見えるという話題がありましたが、幸い僕のいる東京交響楽団ではそれほど無愛想な光景はあまり見たことがない(笑)。
でも無表情だったり不機嫌に見えるとしたら折角来て頂いているお客様に対して失礼な態度だとは思いますね。愛想笑いをしようという事ではなく、プロとして少しでも満足を提供しようとする努力は必要ではないでしょうか。やっぱり演奏する方も真剣に楽しくやりたいですね。

以上で相澤政宏さんのシリーズを終わります。
次回からは白水裕憲さんのシリーズをお送りする予定です。

指揮と演奏者の関係

オーケストラの演奏者はオケを構成する一つのパーツとして演奏するわけですから、要求される演奏表現をたくさん持っている事は必要ですね。そういったいろいろな引き出しを用意して、指示されたら臨機にその引き出しを開けて対応できる能力が重要になってきます。一方ソリストはまた少し違う自分の主張が必要になってくる。例えばコンチェルトであれば指揮者が踏み込めるフレーズとソリストの主張比率が高いフレーズと両方があるわけですから。ただいずれにしても豊富な引き出しが前提になりますからオーケストラから著名なソリストが多く出ているのもその辺に背景があるのかも知れません。 交響曲でも個人技がある程度認められている箇所もあります。合奏の中でどこまで自分を出すか、といったバランス感覚が必要な点、サッカーのようなチームスポーツと似ていると思います。
また、指揮者と良好な関係を築いていくにはお互いを理解する必要がある。音楽性やフレーズ感、テンポ感といった事で理解が難しいケースは悩むことになります。コミュニケーションが非常に大切ですね。

次回は「曲中の待ち時間」です。

会場でのコンディション作り

やはり経験というかペース配分を体が覚えた、という事でしょうか。ホールで練習を開始してからはホールとにらめっこという感じですね。やはり余裕がないと状況を判断できないですから、この時楽に吹きながらホールを理解し本番に適した演奏を次第に整えていきます。気持ちのテンションをうまく高めていくというメンタルの調整も勿論していきます。
しかし僕もコントロールにとても苦労しました。駆け出しの頃、本番直前は嘔吐感がきてそれを克服してステージ上がれるような感じでした。経験を積むといってもなかなか簡単ではないですね。

ソロ演奏について

気持ちのコントロールは難しい。すごく興奮して吹き始めたら、その後冷めてしまったり。そうならない為にも、または例えそうなってしまっても、そのまま演奏にならないようにするには技術がやはり必要だと思います。
そのためには楽器を吹いているという気持ちが残らないレベルまでもっていく必要がある。運指がどうだとかアンブシュアとか、姿勢とか息の支えとか、もちろん練習ではそういった細かいチェックポイントはたくさんありますが、本番で吹いている最中はそれらは全く頭にない。音楽をそのまましゃべる感覚というか、楽器を操作している意識なく表現する状態にないとお客様へこちらの気持ちも伝わらないのではないかと思うんです。 ではなにかマスターする特殊方法があるかというとそれは今までの経験から培った多少の確信しかないように思いますね。暗譜は僕も苦手です。難しいところは覚えるまで吹くという以前大村さんのコメントにあった手順と変わりはありません。指の覚えをよくするには、ソルフェージュ。音の進行を掴む能力が養われますね。

次回は「会場でのコンディション作り」です。

演奏とホールのイメージ

ホールの広さに合わせた空間の響きというのを感じながら吹いています。オケなどで吹く2000人入るホールが小さく感じるときもあるし、逆に小さいホールだって悪いわけではなくて口の周囲の感覚を楽しむようなかわいらしい響きもあるわけです。ですので楽器本体の振動具合とか持つ手に感じる振動とかは確かにありますが、そういった楽器に直接触れているところから響きの状態を判断しているわけではありません。

例えば高音をfで吹いた時、その倍音の響きを頬骨を感じます。これは頑張って力任せに吹く事とは比例しないのでやはり大きなホールで吹く経験が必要になってくるのかも知れません。これらの現象は実際に体感しているのでイメージという事とは違うかもしれませんが。

大きなホールを小さく感じる、これは感覚的なことですが、絵を描くときによく手と指を使って四角いアングルを作るポーズがありますね、あれに近いと思うのですがホールの客席全体が小さい四角のアングルに収まっていて、そこに向かって吹いているような感じがする時がある。ステージの上から見たときに客席を小さく感じる時があるのです。面白いものですね。

次回は「ソロ演奏について」です。

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